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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第146号       ’02−07−19★

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     難解? 結構!     

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●W杯の応援、<君が代>の

 

大合唱に加わってどんな気分でした? マイクを突き付けられた若者が

答えて、「ああ、まとまった!と思った。 自分も日本人だ、と、、」

 

  おお、いま我々に必要なのはその感覚なんだよ。 それがあれば、

  失われた何年とかも挽回できるだろう、長すぎたトンネルも抜け

  出せるだろう、、 ただし、一過性でなければ、ね、、

 

それを感じるのにあのバカ騒ぎが必要だった、としたら些か情けないが、

何も感じないよりは遙かにマシ。 そう、それが民族意識、文化を共有

する喜びをちょいと味わったわけだね、君ら。 思いがけない副次効果。

 

何故かそこに、<君が代>を歌わせるとは何事か!とコワイ顔する人や、

歌詞の日本語が難しくて分からないから歌いたくない、とソッポを向く

人はいなかったようです。

 

国歌<君が代>に反対の皆さん、その時どこで、何を見てたんですか?

 

 

ともかくそれは、「難しい」や「分からない」が、歌わない理由として

決定的ではないことの証明でした。 琴線に触れれば、理屈っぽい左脳

が何する間もなく、右脳が光速的に働いて必要な行動を取らせる、、

 

かつて金田一春彦教授の講演で聞きましたが、日露戦争日本海海戦の際、

旗艦三笠から東郷元帥が発した「皇国の興廃この一戦にあり 各員奮励

努力せよ」という<言葉>、分かった人はほとんどいなかったそうです。

 

しかし一同、こりゃ一所懸命やらなくちゃいけないらしいぞ、ピン!と

来て獅子奮迅。 十分<言葉>に応えました。 これぞ漢語混じり文語

体の威力、と言うべし。 これがヤサシイ口語体だったら?

 

理屈の左脳が働いて「すると戦闘手当、いくらだ?」とかなりかねない。

そんなことじゃ勝てません。 全く分からない、じゃ困るが、分かれば

必ず良いことになるわけではない。 分かって何もしない、のもいるぜ。

 

しかし戦いに臨んでアドレナリン沸騰、左脳は開店休業中、という時は

漢語の方が効きます。 <イメージの右脳>は年中無休、瞬時即応です。

 

その辺を衝いた実験でしたな、幼児に難しい文字を読ませることが可能、

という144号の話は。 なら、小学生にはもっと難しくても良いはず。

実際、斉藤教授の国語塾では、小学生が李白の漢詩など3分間で暗誦し、

僅かな解説で詩の心を掴んでしまう。

 

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●「声に出して読みたい日本語」が

 

ヒットするやたちまち<ああ言えばこう言う>反論的なコメントが新聞

のコラムなどに載りました。 いわく、目で読む力が大切、文字的日本

語の美しさを忘れては、、エトセトラ。 いや、まことにご尤も、

 

だが慌てなさんな。 半年後に出た「三色ボールペンで読む日本語」が

それらへの答え、いわばPPA<発生時対応>。 それは斉藤教授自身

の生活習慣と言うべき効果確認済みの読書法、でもある。 即ち、

 

 

意識を集中してどんどん、ピン!と来た箇所に傍線を施しながら、読む。

それが赤青緑の三色。 そのための特製?ボールペンが添付されている。

貼られたシールには<口語体>で色の定義。 いわく<赤:すごく大切

(客観)、青:まあ大切(客観)、緑:おもしろい(主観)>。

 

本来は<事実>と<意見>の二大別だろうが、教授によれば「青がある

から大胆に引ける」ので作業が捗る由。 <とにかく1回、速く通読>

は能率的読書のコツで、それには<青>的アバウトがピッタリ。 また、

 

「カチカチとやるたびに頭を切り替えることが出来る。 本を読むとき

だけでなく、人の話に耳を傾けるにも、ア、今は緑だな、、ウン、赤に

変わったぞ、、と判断できる」。 心を<形>に置き換える作業ですな。

 

この聴き方でTV番組の三色バランスの善し悪しも分析できる、と教授。

たとえばニュースは本来赤青系のものだろうに、テレビ朝日<ニュース

ステーション>は、久米宏の特性で緑っぽい、、とか。

 

特にインタビュー場面では、訊かれる方が赤で待ち構えているのに、緑

本位で質問している、と。 斉藤教授、鋭い。 で、思い起こしたのが、

いつぞや来日したアンソニー・ホプキンスとのインタビュー。

 

全く咬み合わせられず、何一つ訊き出せなかった久米宏の質問力の無さ、

関心レベルの低さにホプキンスは軽蔑の表情を隠さず、観ているこっち

まで恥ずかしくなった。  Ratioanl に攻めなきゃダメだよ、久米君?

 

しかし、<三色>式の説明の方が遙かに分かりやすい。 確かに久米宏、

相手の<色>など全く構わず、自分の関心、緑だけで押していましたよ。

即ち色違い。 <カチカチ式読書>で鍛え直すべきですな、彼。

         ( Rational Process は彼の好みに適うまいから)

 

*   *

 

6月25日放映のNHK、ETV2002<子供たちよ名文に挑め>は、

斉藤教授がその方法で子供たちの読解力を引き出すところを見せました。

 

藤沢市の公立小学校、5年生のクラスで試みた国語授業。 教授が当日

用いたテキストは夏目漱石、小林秀雄、シェイクスピア、ラブレーなど

の名文、各数頁分。 漢字は総ルビ、文字遣いはオリジナルのまま、

 

としたのは、一文字ごとに込められた作者の意図をそのまま感じ取らせ

たいから、の由。 手始めは漱石、<夢十夜>の<第一夜>。 死んで

百年後、生まれ変わって現われるから待っててくれ、と男に言う女の話。

 

未だ男女の機微に触れていない小学生たち、だが<三色ペン方式>なら

可能、の信念。 まずペンの使い方、赤は三カ所のみ、青と緑は何カ所

でも、と。 次に教授が音読し、子供たちはそれに合わせて目を走らせ、

要所に傍線を引いて行く、、  

 

そのあと、どこに傍線したか、と子供たちに尋ねて答えさせつつ、是非

赤とすべき部分についてのみ重点的に解説、計20分。

 

初めは「感覚的に言い当てているのかも、」と見ていた学級担当教師も、

それにしては子供たちが肝要部分を的確に傍線していることにビックリ、

「たった1回で、何故こんなに押えられるんだろう?」と首を傾げたり。

 

この要領で計5点、2時間でこなしたという。 授業を終えた子供たち、

生き生きしていました。 口々に「面白かった」、「もっとやりたい」、、

 

その3日後、この授業についての感想文を集めた学級担当、目を通して

改めてビックリ。 的確な文意把握がマグレでなかったことが読み取れ、

また、斉藤教授が用いた文章を<本>で読みたい、親や兄姉のを借りて

読むつもり、など積極的な記述が多かったからです。 しかし現実、

 

小学教科書の語り口はさながら幼児用、最近の子供たちの知的レベルを

無視したようなヤサシさ。 しかも分量が、斉藤教授によれば「圧倒的

に少ない。 教科書会社の指導計画(即ち多分、文部科学省基準)では、

僅か8頁に1時限45分を5回も当てているが、

 

半期分1冊は、読み上げ方式なら3回で出来てしまう。 即ち、わざと

ユックリやるほか無く、子供たちは退屈してしまう。 感性が発達する

時期にこそ良い文章を大量に読ませるべきなのに、これでは、、」、と。

 

*   *   *

 

子供にゃ難しかろう、は浅はかなオトナの考え。 たとえ<三色式>で

なくとも<読む方法>を適切に教えれば、彼らなりにすぐ読みこなせる

ようになります。 子供の知能や意欲を軽く見るべきではありません。

 

前号既述の学童集団疎開中、私が宝物にしていたのは<敵機識別便覧>。

赤い模擬革の小さな本で、戦闘機、爆撃機から輸送機まで、1頁1機種。

上半分が写真、その下に性能諸元。 これをアップデートするため、

 

たまに面会に来る父に頼み、月刊<航空朝日>(朝日新聞社の航空誌)

を差し入れてもらいました。 小4〜5向きの編集ではないから、どの

記事も読んだとか、まして<理解した>とは言わないが、

 

普通のオトナを遙かに凌ぐヒコーキ博士。 その副産物で、禁断の敵性

国語にも通じていた?らしい。 後年、「あの寺で君にABCを教えて

もらったのが懐かしい」という手紙を旧友からもらいました。 栴檀は

双葉より<教え魔>、でもありました。

 

*   *   *   *

 

若者の歯並びが悪い、それは顎の発達が良くないからだ。 その原因は、

食べ物が軟らかいものばかりになったこと。 昔はスルメなど噛んで、、

 

など申しますね。 ジャンクフードは栄養の面だけでなく、身体構造に

まで悪影響を及ぼしました。 同様、ヤサシイ読解材料は知能や精神を

弱める。 <咀嚼>の努力こそ、能力強化向上のもとですよ。

 

人相学では顔面下部三分の一が<その人の将来運>を示すとか。 細い

顎は貧困な老後の予兆です。 若いうちに歯を食いしばる経験を積めば、

顎も張るだろう、老後の備えも出来上がるだろう、、

 

同様、若いうちにカタイものを読みこなせるようにしてやれば、ボケの

来にくい高齢者になれるはず、、 など、国は教育百年の計を立てない

ものか? 今の状況では、良い<将来運>は期待できそうにありません。

 

*   *   *   *   *

 

斉藤教授の締めくくりは、「教育は自分への肯定感を高めるもののはず。

<何かを目指してビッグ・ネームと四つに取り組んでいる自分>は誰に

とっても<好きになれる自分>。 そうなれるようにコツを教えるのが

教育だと思う」。 全く同感。

 

<教育者>としては常に疑問多き我が教祖でしたが、実は良いところも

皆無ではなかった。 集合研修の技法活用演習に際し、安易なテーマを

選ぼうとするチームには、「もっと難しい課題を選びなさい」とハッパ

かけていましたからな。

 

さよう、日常プラスアルファ程度のことは技法に頼るまでもない、経験・

カン・度胸で十分です。 思わず尻込みするような大課題に取り組んで

こそ、<好きになれる自分>が見いだせるのです。  そしてもちろん、

 

<そのようになれるコツ>が Rational Process !

           (ここは赤の傍線ですぞ)   ■竹島元一■

    ■今週の<私の写真集から>は、 ★美人について★

 

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